【書評】宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話
同じチームは世の中に1つも存在しない
あなたのチームは今、うまくいっていますか?
チームには、成熟したベテランもいれば、経験の浅い若手もいると思います。また、性格もバラバラで、さらには、メンバーの増減によってチームの状況は度々変化していると思います。それらすべての状況に当てはまるような、理想のチームを作る「成功のルール」は存在しません。
本書は、そのことを前提に、マンガ「宇宙兄弟」の個性的なキャラクターと印象的なシーンを具体例に出しながら、今のメンバーとチームの現状を整理し、「今いるメンバー」で、「自分たちだけの」理想のチーム作りのヒントを得られることができます。
私自身も、今のチームのメンバーでもっと成果を上げたいと思っており、その中で自分の強みを生かしたリーダー像を模索している時期だったので、とても参考になりました。
本書の目次
第1章 チームの成長を阻害する思い込みのワナ
第2章 チームの成長を促す4つのリーダーのスタイル
第3章 チームの成長法則「チームメイキング編」
第4章 チームの成長法則「チームビルディング編」
第5章 「しない」をすれば、あなたもチームもうまくいく!
4つのリーダースタイルとは
本書では、リーダーのスタイルを大きく4つに分けています。
ファシリテーター型 (支援と促進が得意)
マエストロ型 (職人肌で成果を出すのが得意)
ティーチャー型 (教えて諭すのが得意)
コンサルタント型 (専門的な知識で牽引するのが得意)
それぞれのタイプで「強み」と「苦手なこと」が存在し、チームの状況によって役割や出番が変わってきます。
本書には、自分がどのリーダーのスタイルなのかを知るためのチェックシートが付いています。ちなみに私は、ファシリテーター型とマエストロ型で多くチェックが付きました。私自身、メンバーを「引っ張る」よりも、「押す」ことでチームを前進させるタイプだと思うので、しっくりくる結果でした。
「チームの発達段階」とは
「自分たちのチームは今、どんな状態なのだろう?」という視点を持つために、アメリカの社会学者、ブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」をベースにしたフレームワークを「チームの発達段階」と呼びます。
第1ステージ 【形成期】フォーミング
第2ステージ 【試行錯誤期】ストーミング
第3ステージ 【規範期】ノーミング
第4ステージ 【達成期】トランスフォーミング
まず、今のチームが「チームの発達段階」だと、どのステージなのかをメンバーで考えて、現状を理解することが、理想のチームを 作るための第1歩です。
本書はさらに、「チームの発達段階」の各ステージで、前述した4種類のリーダーが、それぞれどのような意識をもってリーダーシップを発揮すれば良いのかを教えてくれます。
終わりに
今いるメンバーで理想のチームを目指すために、自分らしく、自分なりのやり方で、楽しみながら、いろいろなことに試行錯誤しながらチャレンジしていきたいと思える本です。
チームの成長に悩んでいる人は、とりあえず、自分たちのチームが「チームの発達段階」のどのステージにいるかを、メンバー全員で話してみるとよいでしょう。
私自身も自分に合ったリーダー像を見つけることができたので、今のチームにしっかり向き合って、自分なりにいろいろチャレンジしてきたいと思います!
著者の長尾 彰さんの「宇宙兄弟」を題材にした著書である、『宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。』と併せて読むと、自分なりのリーダー像と、チーム作りの方法が、具体的にイメージしやすくなのでおススメです。