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【書評】エンジニアのための図解思考 再入門講座 情報の“本質"を理解するための実践テクニック

図解思考とは?


エンジニアとして仕事をしていると、以下のような能力が重要になってきます。

  • 原因分析能力
  • 問題解決能力
  • 新しいアイデアを考える能力
  • プレゼンなどのために、資料を作成する能力

さらに、状況が複雑化しており、これらはネットで調べただけでは答えにたどり着けない場合が多いです。そのような時に、現在の状況、ドキュメント、会話、思考などの、さまざまな情報を「図」や「表」で表し、思考の手助けをする。これを図解思考と呼ぶようです。

本書のターゲット


  • エンジニアとして働く、若手から中堅
  • 原因分析や問題解決能力が苦手な人
  • プレゼン資料を作っても、なかなかうまく相手に伝わらない人

本書の構成


第1章 図解はなぜ必要か?

第2章 図解力を伸ばすコツ

第3章 「ラベル」で問題を一気に単純化する

第4章 「表」があなたの思考地図になる

第5章 「仮説思考」で発想を引き出す

第6章 プロセスに関する共通認識を作る

第7章 現実世界のユーザーの心理状態をイメージする

第8章 ロジックの型を知っておこう

第9章 情報の「粒度」を意識せよ

第10章 論理思考の根っこは「0次情報」

第11章 脳内イメージ操作能力を鍛えよう

第12章 1日3分、見出しをつけて要約を!

第13章 わかりにくい文章はとりあえず「分ける」

第14章 問題の解決策をゼロから考える

第15章 モチベーションを上げるヒント

全体像を把握するために図解が必要


原因分析や問題解決の場面で、すぐに答えを求めてしまい、ネットの情報をそのまま実行してみて失敗してしまうという経験はあるでしょうか?たまにはそれで解決することもあると思いますが、それでは問題の本質が理解できないままで、今後の応用が効かないという問題が出てきてしまいます。

まずは、全体像を図解してみる。そのうえで自分の現在地と次に進むべき道を明確にする。そうすれば、現在分かっていることと分からないこと、次に調査することが整理されて、状況を正確に理解でき、問題解決までの道のりが明確になります。

うまく図解するための「3行ラベリングワーク」


図解ができないという場合の大半の原因は「読解力不足」です。
図解をするためには、インプットした様々な情報を「理解」、「補正」、そして「表現」する必要があるのですが、読解力が無く、最初の「理解」ができていないため、図解が上手くできない人が多いようです。

その読解力を鍛えるのが「3行ラベリングワーク」です。

  1.  3行程度の箇条書を見つける。
  2. その箇条書の1つ1つに、「ラベル」をつける。

「ラベル」というのは、「見出し」のことです。
箇条書きの各文章に「ラベル」を付けるためには、文章を正しく読み取り理解し、一言で表す必要があるため、読解力と語彙力アップの練習になります。

構想力のあるエンジニアになるために


「構想力のあるエンジニア」とは本書では、以下のように表しています。

目的を達成するためのシステムの構想を立てて、それを必要なパーツのレベルまでブレークダウンして設計図を書ける人

世の中には「特定の問題を解くときにだけ使える統合パッケージ」が多数存在します。しかしこれにだけ頼っていると自分自身の力で、様々な状況に対応できるような問題解決能力が身に付きません。自分なりの「仮説と検証」を繰り返し、その中で本質を理解することで「構想力のあるエンジニア」に近づいていきます。

終わりに


普段から、自分が理解する時や、人に説明するときに「図」や「表」などを使うことを意識していましたが、それの大切さを改めて認識し、新たに情報を図解する手法とノウハウを知ることができました。

また、図解する以前に読解力が足りない部分があったことに気づかされたので、3行ラベリングワークを続けてみようと思います。