「心理的安全性」基礎知識
はじめに
最近チームに後輩が増えてきて、後輩が働きやすく、成長できる環境を作ることを意識して仕事をするようになりました。その際に「心理的安全性」の基礎知識について調べたことをまとめました。
私は、計3名との週次の1on1面談を、2020/4/30 現在までに約1年半ほど続けているので、今後、1on1のやり方の記事も書こうと思っています。
「心理的安全性」とは?
Googleがチームの生産性を上げるために最も重要な要素として発表
- メンバー1人ひとりが安心して、自分が自分らしくそのチームで働ける
- このチームでリスクをとったとしても、対人関係上の亀裂や破壊が起こらないであろう、とチームに共有された信念
「リスクをとりながら一人ひとりが学び合い、成長し合う、そしてそれがメンバーそれぞれの喜びであり幸せであり、チーム全体の成長につながる」
「心理的安全性」の誤解
- みんなで仲良くやること
- 安心安全な労働環境をつくること
- チームのメンバーが傷つくことがないことが保証されている状態
これらと全く同等ではない。
「メンバーそれぞれが、リスクがあっても学びたい、成長したいと思っている。そして、実際に行動している。ということが前提」
「心理的安全性」が低いとどうなる?
4つの不安
生産性の高いチームは「心理的安全性」が高い
リーダーの在り方
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リーダーのマインド
- 行動基準は「全体最適」
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言い訳をせずに、言動に一貫性を
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怒らない、愚痴らない、妬まない を率先する
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明るく楽観的、原則ご機嫌であること
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自分軸を整える
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自分を丸ごと「自己受容」する
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自分の強みで人の役に立ち、弱みは見せて周りに助けを求める
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自分のありたい姿(ビジョン)と価値観を認識する
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自己認識のために周りからのフィードバックを真摯に受け止める
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チームのミッションステートメントをつくる
リーダーのマインド
◆行動基準は「全体最適」
リーダーは、自分や自分のチームのため、自分の上司など特定の人のためだけではなく、なるべく会社全体のためになる決定をする。
◆言い訳をせずに、言動に一貫性を
小さなことも言い訳せずに、間違いは認めて謝る。そして問題解決に取り掛かる。
リーダーが率先してこれを実践すると、メンバーも言い訳をせずに、ミスを早期に認め、チーム全体が問題解決志向になる。
◆怒らない、愚痴らない、妬まない を率先する
怒りや恐怖など、自分の感情を発散することで人をコントロールしようとしてはいけない。
感情が動くということは、そこに必ず「満たされないニーズ」がある。
そのニーズにフォーカスすることが大切。
◆明るく楽観的、原則ご機嫌であること
リーダーだからといって、高い社交性が必要なわけではない。
ただし、少なくとも楽観的な姿勢を示すことが大切。
リーダーこそ、健康に気を使い、しっかりと睡眠や栄養を取り、
ご機嫌状態をキープする。
自分軸を整える
◆自分を丸ごと「自己受容」する
「あるべき自分」ではなく、「ありのままの自分」を好きになって、
自分を丸ごと受容する
◆自分の強みで人の役に立ち、弱みは見せて周りに助けを求める
なるべく自分が苦労せずに楽にできること、そして好きでたまらなくて、言われなくてもついやってしまうことで人から感謝されることをする。そして少しずつ自分の仕事の中で自分の強みを生かした仕事の割合を増やしていけるように、自分から仕事内容を提案していく。
リーダーが「弱みを見せる」
勇気がいることだが、チームに与える影響力は大きい。
リーダーがいち早くその勇気を見せると、メンバーも勇気を出して弱みを見せやすくなる
◆自分のありたい姿(ビジョン)と価値観を認識する
自分がどうありたいか、心底感じられるものが本当の自分の在りたい姿=ビジョン。
自分のビジョンとチームのビジョンの重なり部分を探す。
自分が学び成長することがチームに貢献することになる。
自分のビジョンが明確になってくると、メンバーのビジョンを見つける支援ができる。
◆自己認識のために周りからのフィードバックを真摯に受け止める
本来、人は自分のことは見えていない。だから、他者からのフィードバックが必要。
他者からのフィードバックを真摯に受け止め、感謝をして、自己認識を高め続ける努力が不可欠。
チームのミッションステートメントをつくる
ミッションステートメント=チームが共有するべき価値観、行動指針
実際にメンバーの発した言葉で作ることが大切。納得感が生まれ、チームの軸になる。
メンバーとのコミュニケーション
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基本
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まずは信頼、信頼は存在承認から
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個人の強みにフォーカスして、人は成長できることを信じること
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リーダー自ら弱みをさらけ出し、メンバーに助けてもらう
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一人ひとりの価値観や思いを尊重し、成長を応援しあう
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強みを引き出し、つながりをつくる会話
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管理ではなく、自律を支援する
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自律することは幸せである
基本
◆まずは信頼、信頼は存在承認から
チームのメンバーそれぞれを、ありのままで素晴らしい、存在するだけで素晴らしいと、認めてあげる。
自分のことを変えようとコントロールしてくる人、自分が変わらないと認めてくれない人を、人は敏感に感じ取り、自ら進んで心を開くことはありません。
◆個人の強みにフォーカスして、人は成長できることを信じること
人間の能力は人それぞれ。
メンバー個人の強みにフォーカスして、それぞれの強みの方向への伸びしろを予測しながら、適材適所をはかる。
◆リーダー自ら弱みをさらけ出し、メンバーに助けてもらう
メンバー同士が弱みを見せあい、頼って感謝しあう。感謝されれば、得意で自然にできることで貢献したいという気持ちはどんどん高くなります。お互いが補完し合う文化があるチームの生産性は必ず上がる。
◆一人ひとりの価値観や思いを尊重し、成長を応援しあう
人生は仕事だけではない。
仕事以外のやりたいことや夢についてもリーダーが自ら話し、メンバーそれぞれの話も聞いてみる。そして、できるだけ望みを叶えてあげようとすると、信頼関係が高まる。
◆強みを引き出し、つながりをつくる会話
・どんな時に相手とのつながりが強まるか
⇒相手の悪いニュースに反応した時よりも、よいニュースに反応したとき
・「最近あったいいことを教えて!」
・「すごいね!もっと聞かせて!あなたのどんな行動がいい結果につながったの?」
⇒良いニュース
・相手の強みに着目
・ポジティブな感情
・視野、思考、行動を広げ、成長を促す
・やればできるという「自己効力感」を養う
⇒自分のマイナス部分、つまり弱みを見せる会話も少しずつしていくようにする
管理ではなく、自律を支援する
◆自律することは幸せである
チームメンバーが自律的に考え行動するチームは間違いなく生産性が高い。
だからといって、厳しくハッパをかけたり、部下を管理、統制しようとしたりすると部下はますますやる気が起きず、疲弊していく。
「コントロールされて幸せな人はいない」
自分で決めたい」という感覚は生まれながらに誰もが持っているもの。
「自律性」は「関係性」から始まる。
「関係性」「自己効力感」「自己決定」の欲求を満たしてあげれば、自律性は自然に育まれます。
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制限されたくないという気持ちに共感し、その気持ちを認める(共感)
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なぜそのことが大切なのか、合理的な理由を説明する(説明)
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圧力を最小限にした言い方や質問の仕方で伝え、選択の余地を与える(自己決定)
・人は自分で決めたことであれば、納得感を持って行動することができる
最後に
以上が、「心理的安全」の基礎知識です。ただ知識を持ってるだけでなく、実際に実践することが一番大切です。普段からチームメンバーの幸せと成長を願って仕事をすると自然と改善点が見えてくるはずです。