1on1ミーティングとは? 効果とメリットを解説
部下と「仕事」の話はよくしていると思いますが、プライベートの話や、部下の将来のキャリアの話のような、部下に焦点を当てた話ってどのくらいしていますか?
本記事では、
「どんな効果とメリットがあるの?」
と考えている、リーダーやマネージャーの方へ、1on1ミーティングの基礎知識を解説していきます。
1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。一般的な人事評価面談と呼ばれるようなものとの違いは、「部下の成長のための時間」 ということです。実施頻度としては、月に1回~週に1回で、1回約30分くらいが基本とされています。
導入例として、以下の企業などが導入しています。
1on1ミーティングの効果とメリット
- 部下の成長の手助けができる
- 上司と部下のお互いの「人となり」を知り、信頼関係が生まれる
- 部下のメンタル面のケアができる
- 部下のモチベーションが上がる
1. 部下の成長の手助けができる
業務の振り返りを行い、課題を発見し、それに対しての具体的なアクションを短いサイクルで実施していくことで、経験学習サイクルを繰り返すことができます。
※経験学習サイクルとは?
2.上司と部下のお互いの「人となり」を知り、信頼関係が生まれる
まず、定期的に対話する機会が増えること自体が信頼関係の向上につながります。心理学ではこれを「単純接触効果」と言い、「接触頻度を増やすことで、相手から好意を持ってもらいやすくなる」という効果があります。
信頼関係はすべての土台になります。お互いがどんなことに興味があるか、どんなことを楽しいと思うか、逆にどんなことが苦手なのかを知ることで、お互いに仕事がしやすくなり、大きな成果を生むようになります。
3.部下のメンタル面のケアができる
定期的に部下の体調やメンタル状況をヒアリングすることで、変化に気づくことができ、それに対して、業務内容や働き方を変えるなどの早期の対策が実行できます。
4.部下のモチベーションが上がる
1on1ミーティングによって、人がやる気になるための「3つの基本的欲求(関係性/有能さ/自律性)」を満たすことができます。例えば、部下の関心のあることを聞いたり、部下への期待を伝えたり、成果や能力を承認したり、部下自身に物事を決めた実感を持たせることで、仕事に対して当事者意識をもってやりがいを持たせることができます。
※3つの基本的欲求とは?
1on1ミーティングの始め方
- 実施の目的を部下に伝え、アポイントを取る
- 会議を設定する
- 準備する
- 1on1ミーティングを実施する
1.実施の目的を部下に伝え、アポイントを取る
部下に納得してもらうように、1on1ミーティングの目的と意義を伝えてからアポイントを取りましょう。部下が「なんの意味があるんだろう?」と思っている状態で実施すると効果が出にくいので、「部下の成長のための時間」ということを伝えましょう。
2.会議を設定する
部下のアポイントを取れたら、上司が会議を設定しましょう。定期的に実施するために、まずは3か月後くらいまで設定しておくとよいでしょう。
もし、どうしても都合がつかなくて1on1ミーティングが実施できない時は、翌日にリスケするなどして、なるべく実施するようにすることをおすすめします。
4.1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングの効果が出るのは時間がかかります。すぐに効果がでなくてもあせらず、上司自身で1on1ミーティング自体を振り返りながら、内容を改善していきましょう。
よくある質問
・「時間がとれない」
リーダーやマネージャーは実際に忙しいと思うのですが、1on1ミーティングの優先順位を上げてみましょう。また、成熟したベテランは回数を減らして、若手の頻度を上げるなどでもよいでしょう。
・「部下が本音を話してくれない」
まずは、業務の話ではなくプライベートの話でもよいので相互理解の場として信頼関係を築いてみましょう。そうすれば徐々に心を開いてくれるようになります。
・「雑談で終わってしまう」
1on1ミーティングの目的を再確認しましょう。第一は「部下の成長のため」です。それでも雑談で終わってしまうのであれば、上司側に傾聴やコーチングのスキルが不足している可能性があります。
・「1on1ミーティングをやるたびに、やるべきことが増えてしまう」
1on1ミーティングが上司と部下の負担になってしまうのは間違った姿です。お互いに楽しい時間になるよう目指しましょう。
なにか課題が見つかっても必ず解決案を考えて実行する必要はありません。課題に「気付く」ことだけでも成果は出ています。
また、毎回完璧で充実した1on1ミーティングを目指す必要はありません。そのくらい気軽な気持ちで臨むと続けやすくなり、結果的に大きな効果がでてきます。
最後に
1on1ミーティングによって、部下一人ひとりの成長が促され、結果的にチーム全体の生産性が向上します。最初は効果が分かりにくいかもしれませんが、試行錯誤しつつ続けていくと徐々に効果が実感できると思います。まずは信頼関係の築くことを意識してみましょう。
私も現在、約2年ほど計4人の部下と1on1ミーティングを試行錯誤しながら行っておりますが、最初はなかなか効果が出ませんでした。ですが、今は部下が自発的に仕事をするようになり成長を感じることができています。
次回からの記事では1on1ミーティングでどんなことを話すのか、どんなスキルが必要なのかを具体的に解説していこうと思います。
参考書籍/参考サイト
シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング―
1on1ミーティングとは?期待される効果や、やり方のすすめ | TeamUp MAGAZINE
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